新型コロナウイルス感染症や大規模災害が発生する中で「感染症や災害への対応力強化」を図るとともに、団塊の世代の全てが75歳以上となる2025年に向けて、2040年も見据えながら、「地域包括ケアシステムの推進」、「自立支援・重度化防止の取組の推進」、「介護人材の確保・介護現場の革新」、「制度の安定性・持続可能性の確保」を図る。
改定率:+0.70%
※うち、新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価0.05%(令和3年9月末までの間)
全部で5つの大きな柱が改正のポイントになっています。
ひとつずつざっくりとみていきます。
目次
1.感染症や災害への対応力強化
■感染症や災害が発生した場合であっても、利用者に必要なサービスが安定的・継続的に提供される体制を構築
日頃からの備えと業務継続に向けた取組の推進
・感染症対策の強化・業務継続に向けた取組の強化・災害への地域と連携した対応の強化・通所介護等の事業所規模別の報酬等に関する対応
2.地域包括ケアシステムの推進
□住み慣れた地域において、利用者の尊厳を保持しつつ、必要なサービスが切れ目なく提供されるよう取組を推進
○認知症への対応力向上に向けた取組の推進
・認知症専門ケア加算の訪問サービスへの拡充・無資格者への認知症介護基礎研修受講義務づけ
○看取りへの対応の充実
・ガイドラインの取組推進・施設等における評価の充実
○医療と介護の連携の推進
・老健施設の医療ニーズへの対応強化
・長期入院患者の介護医療院での受入れ推進
○在宅サービス、介護保険施設や高齢者住まいの機能・対応強化
・訪問看護や訪問入浴の充実・緊急時の宿泊対応の充実・個室ユニットの定員上限の明確化
○ケアマネジメントの質の向上と公正中立性の確保
・事務の効率化による逓減制の緩和・医療機関との情報連携強化・介護予防支援の充実
○地域の特性に応じたサービスの確保
・過疎地域等への対応(地方分権提案)
3.自立支援・重度化防止の取組の推進
■制度の目的に沿って、質の評価やデータ活用を行いながら、
科学的に効果が裏付けられた質の高いサービスの提供を推進
○リハビリテーション・機能訓練、口腔、栄養の取組の連携・強化
・計画作成や多職種間会議でのリハ、口腔、栄養専門職の関与の明確化
・リハビリテーションマネジメントの強化
・退院退所直後のリハの充実
・通所介護や特養等における外部のリハ専門職等との連携による介護の推進
・通所介護における機能訓練や入浴介助の取組の強化
・介護保険施設や通所介護等における口腔衛生の管理や栄養マネジメントの強化
○介護サービスの質の評価と科学的介護の取組の推進
・CHASE・VISIT情報の収集・活用とPDCAサイクルの推進
・ADL維持等加算の拡充
○寝たきり防止等、重度化防止の取組の推進
・施設での日中生活支援の評価・褥瘡マネジメント、排せつ支援の強化
4.介護人材の確保・介護現場の革新
■喫緊・重要な課題として、介護人材の確保・介護現場の革新に対応
○介護職員の処遇改善や職場環境の改善に向けた取組の推進
・特定処遇改善加算の介護職員間の配分ルールの柔軟化による取得促進
・職員の離職防止・定着に資する取組の推進
・サービス提供体制強化加算における介護福祉士が多い職場の評価の充実
・人員配置基準における両立支援への配慮
・ハラスメント対策の強化
○テクノロジーの活用や人員基準・運営基準の緩和を通じた業務効率化・業務負担軽減の推進
・見守り機器を導入した場合の夜間における人員配置の緩和
・会議や多職種連携におけるICTの活用
・特養の併設の場合の兼務等の緩和・3ユニットの認知症GHの夜勤職員体制の緩和
○文書負担軽減や手続きの効率化による介護現場の業務負担軽減の推進
・署名・押印の見直し・電磁的記録による保存等・運営規程の掲示の柔軟化
5.制度の安定性・持続可能性の確保
■必要なサービスは確保しつつ、適正化・重点化を図る
○評価の適正化・重点化
・区分支給限度基準額の計算方法の一部見直し
・訪問看護のリハの評価・提供回数等の見直し
・長期間利用の介護予防リハの評価の見直し
・居宅療養管理指導の居住場所に応じた評価の見直し
・介護療養型医療施設の基本報酬の見直し
・介護職員処遇改善加算(Ⅳ)(Ⅴ)の廃止
・生活援助の訪問回数が多い利用者等のケアプランの検証
○報酬体系の簡素化
・月額報酬化(療養通所介護)
・加算の整理統合(リハ、口腔、栄養等)
6.その他の事項
・介護保険施設におけるリスクマネジメントの強化
・高齢者虐待防止の推進
・基準費用額(食費)の見直し
・基本報酬の見直し