生活相談員とボランティアの活用

施設内で行事をするときは、ボランティアさんが必要な時があります。出店を出すときに、販売員になってもらったり、利用者を大勢移動する時に、少し支えてくれたり、ボランティアさんがいてくれると助かる場面はたくさんあります。

ではボランティアさんに対してどのようなアプローチをしたら施設の行事に来てもらって、ボランティアとして参加して頂けるかを、ここで紹介したいと思います。

まずは学生ボランティアさんから

ボランティアさんの集め方ですが、すぐに思いつくのは学生さんです。施設で実習をした学生さんに連絡をとり、「こんなイベントをするのですが、ボランティアとしてやってみませんか?」と声をかけます。

当然学校が推奨している、「ボランティア活動に、参加していると就職活動が有利になりますよ」ということを伝えます。

学校の成績をつける時とか、就職活動をする時にボランティア活動をしているのと、していないのとでは、その人の印象が違います。

学生も今の自分を少しでも有利にしていきたいと考えているので、ボランティア活動が自分の価値を高めるチャンスになると考えています。

介護士さんを目指す、学生さんが減っている中、学生さんのボランティアはとても大切です。ボランティアだけで終わらせないように、しっかり関わっていきましょう。

地域の方にもボランティア募集をしてみましょう

町内会にある、女性会とか、年配の男性が集まって何かをやっているようなら、その方たちにも声をかけましょう。

簡単な売店の接客とか、交通整理とかなら、張り切ってやってくれます。他にも、地域で野球チームをやっていたりすると、そこの監督に声をかければ、練習が終わった後、意外と協力してくれます。

ほとんどの町内会の開催日が毎月第〇・〇曜日のように決まっていると思います。そこには、町内会長さんは必ず出席されますし、その町内の班長もだいたい集まって来ます。

そこの場所をうまく利用して事業所の宣伝を兼ねて、ボランティア募集のチラシを配布してもらうようにお願いしましょう。回覧板に入れてもらうのもお願いすれば、快くやってもらえます。

ボランティアさんに伝えること 1

ボランティアさんに参加していただけるようになったら、まずはボランティア当日に集まっていただき、オリエンテーションをしましょう。

そこで説明することとして、まずは時間です。何時から何時までがボランティアの時間ですと伝えましょう。途中で帰る場合も、ひと声かけて、帰ってもらうようにお願いしましょう。

ボランティアと言っても、いつまでここにいるのか分からないというのは、とてもしんどいですから、最終の時間をきちんとお伝えしておきましょう。

ボランティアさんに伝えること 2

何をしてもらうかを伝えましょう。これは事前に紙にまとめて置いて、印刷して渡すのがベストです。

口頭でいくら伝えても、なかなか全部は伝わりません。書いてあると、何回か読み返してくれるので、ボランティアさんが何をするのか自覚を持ってもらえます。

何をしてもらうかを印刷して渡し、それを基に説明しましょう。

ボランティアさんに伝えること 3

ボランティアとしてやっていただく作業は、あまり厳密にやらなくてもいいことを伝えましょう。

職員側から「正確でなくてもいいですよ。それよりも来られた方としっかりお話をしてください」と伝えましょう。

普通の民間企業のお店では、売店を出店したら、きっちり計算して金額と品物を合わせるのが普通ですが、ボランティアさんにそこを任せるのであれば、金額の正確さはそんなに気にしなくてもいいと伝えてください。

そして、販売よりも利用者の訴えを聞いたり、不満を聞いたりしてもらいたいということをお願いしましょう。

ボランティアを利用することも国は求めています

ボランティアを活用するのは、正直面倒な時があります。受け入れの準備をしたり、各職員へ説明したり、資料を作成したりして、手間を取られます。

しかし、活用せずにずっと何もせず、施設の行事を行っていると、ボランティアさんが仕事がないからということで、ボランティア活動をしなくなることがあります。

そうなると、ボランティアさんを使いたい時に、以前あったボランティア団体が解散していて、誰もいないという事態になってしまいます。

それを避けるためにも、なるべくボランティアを活用していき、ボランティアさんの意欲を引き出し、ボランティア活動を継続しやすいようにうまく活用することを、国から求められています。

まとめ

ボランティアを活用するのは、いろいろなリスクがあります。ケガをさせたり、こちらがケガをしたりするので、保険のことや、お店のことなど、最初にたくさん説明する必要があります。

面倒かもしれませんが、そういった説明を丁寧にしていけば、ボランティアに来ていただいた方の多くが、「この施設はしっかりしている」という良い印象を持ってもらうことができ、「またこの施設に来たい」と思ってもらえると思います。

その状況を積み重ねることで、施設の評価というのも少しずつですが、上がっていきます。ボランティアさんと継続して関わっていくことを意識しましょう。

これからボランティアさんを集めるという方は是非参考にしてみてください。

ABOUTこの記事をかいた人

生活相談員を13年やってました。 今はケアマネの資格を持って、ケアマネの経験もあります。 生活相談員としての業務が長いので、そちらを記事にしています。