生活相談員ってなんで偉そうにしてるんだろう?と疑問に思う方が多いと思います。
では実際生活相談員は偉いのかというと、実はそうでもありません。
介護職員、看護職員、栄養士、事務員、相談員
上記のように「相談員」は職種の一つです。
施設の中で「相談員」というのは「役職」とは関係のない立場になります。
ではなぜ偉そうな相談員が多いのでしょうか?
その理由について、考えてみたいと思います。
目次
生活相談員の仕事がとにかく大変
生活相談員は業務範囲が広いために、仕事量がとにかく大変です。
その大変さから、気持ちに余裕がなくなり、自分の思う通りに相手を動かそうと考えてしまいます。
つまり、相手の気持ちを考える時間的余裕がなくなるため、偉そうにしてしまうのです。
ここでは生活相談員の気持ちに、余裕がなくなる理由を4つ上げてみます
生活相談員の連絡調整
生活相談員の仕事は、利用者の生活に関すること(食事やバイタル、排泄)の相談や介護職員との調整、看護師への報告、ご家族への連絡、ケアマネージャーとの連携など常に誰かに連絡を取って調整をしています。
どれが欠けても、クレームに繋がります。
生活相談員の経験がある人は、「連絡忘れによるクレーム」に常に悩まされます。
私も生活相談員をしていたときは「聞いてない」と職員から毎日のように言われていました。
円滑な人間関係を築くためには、相手の意見を聞いて、どんなふうに対応していくかを検討していくことが大事です。
ところが、生活相談員は連絡する人が多いために、そこにかかる時間がたくさんとれないのです。
相手の意見を聞く時間をなるべく短縮したいと考えてしまいますので、「何が言いたいの?」とか「要点をまとめて話して!」という言葉になってしまいます。
それで「あの生活相談員は偉そうだ」となってしまいます。
利用者やご家族からの要望
生活相談員は、利用者やご家族から見たら、相談窓口です。
できるだけ、自分の家族を大事にしてもらいたいと思って、相談窓口に来ます。
そして、家族の背景や住んでいる状況を見ていると、なるべく要望をきいてあげたいと思うのが人情です。
そこで、生活相談員が人肌脱ぐわけです。
「うちの施設は大丈夫ですよ」とか「私が介護士に言って、やらせますから」というような約束をしてしまいます。
ここからはみなさんも想像できると思います。
施設に戻って、介護職員を集めて、こんな人が来るから、必ず○○の対応はしてください。
と言った、命令口調になるわけです。
介護職員からすると、なんでこの利用者だけ、特別扱いするのか?!という不公平感がでてきます。
そこでうまく家庭環境や、家族の要望など、介護職員さんとしっかり話しをして、納得してもらえればいいのですが、介護職員さん全員となると時間も労力もかかります。
この状況になると百対一の戦いかと思うぐらい、気持ちが滅入ります。
気が短い方は、すぐに説得するのをあきらめてしまうでしょう。
これが、「生活相談員は偉そう」につながってきます
業務範囲がとにかく広い
これは施設によって違いますが、全般的に生活相談員の業務の範囲はとにかく広いです。
私の経験上の話しですが、以下の仕事をしていました
- 利用者との面談、ヒヤリングシートの作成、
- アセスメントと計画書の作成
- 利用日の調整やケアマネへの説明
- 契約書の作成、入所、退所の手続き
- 介護職員、看護職員の仕事の調整や利用者への対応方法の説明
- 主治医への連絡
- サービス担当者会議への出席
- 利用者が亡くなった時は、24時間いつでも施設に駆けつける
- 電球が切れたときの交換
- トイレがつまったときの対応
- 利用者の送迎業務
- 週間予定、年間予定の作成
- 請求書の作成、国保連請求のチェック
- 事業所の変更申請の書類作成と提出
- 36協定や労務管理の書類作成
- 利用者からのクレーム対応
ざっと思い出しただけでもこれだけあります。
まだ他にもあるような気がしますが、とにかく範囲が広いです。
この広い範囲を対応していると、当然ですが介護職員よりも知識が豊富になってきます。
その知識があるおかげで、施設の中のだいたいのトラブルは解決できるようになります。
そうなってくると、だんだん偉そうになってきます。
労働力がとにかく多い
介護職員であれば、交代制なので、仕事を次の人に引き継ぐことができますが、生活相談員は引き継ぐ人がほとんどいません。
生活相談員は大体1人です。
やり残した仕事は誰かがやってくれるわけではありません。
ただひたすら、業務が蓄積されるだけです。
しかも日中は、送迎や電話対応でほぼ潰れてしまい、書類を作る時間がありません。
夕方になってやっと席に座れて、書類を作りはじめます。
そうなると大体20時とか21時とかに帰るようになります。
こんなにきついのに、介護職員さんは時間通りに帰って、生活相談員の粗探しをしています。
こんなふうにされると、気持ちがかなり落ちて、介護職員さんにきつくあたってしまいます。
私も相談員をしていたときは、毎日のように22:00ぐらいに帰っていました。
それなのに、毎日「聞いてない」と叫び続ける介護職員さんを見ると、怒りしか覚えませんでした。
そんなことが続くと、介護職員さんに偉そうな態度をとってしまうこととなります。
仕事以外に目を向ける
生活相談員さんの仕事を見ていると、偉そうになるのも分かるなぁと思っていただけたでしょうか?
もしこのブログを生活相談員さんが、読まれているのであれば、上記のことに十分気をつけていきましょう。
業務量や内容でどうしてもイライラしてしまうことが多いと思います。
私が相談員をしていたときは、ほとんど怒ってました。
ずっと怒っているもんですから、介護士さんからの評価も低く、上司からもあまりよく思われていなかったです。
このような流れで、転職せざると得ない状況となってしまいました。
今でこそ思いますが、別にイライラして怒る必要は全く無かったなと思います。
怒っても、怒らなくても、結局、結果は一緒だったなと後から反省しました。
結局一緒なら、楽しんで、周りのみんなを褒めて、心豊かに接していけばよかったなと思います。
私のせいで、辞めていった職員さんもいましたから、ほんとに申し訳ないことをしました。
生活相談員さんは仕事ばかりに集中してしまうと、どうしてもイライラが募っていきます。
仕事以外のことで何か好きなことを見つけて、休みの日はそっち方面で気分転換をするのがいいでしょう。
まとめ
なんで生活相談員が偉そうなのかという理由が、少しでも分かっていただければありがたいです。
とはいえ、生活相談員が偉そうにしていると、介護職員が辞めてしまいます。
私の先輩の生活相談員さんも気が短くて、やはり何人も介護職員が辞めtいました。
今はどこの施設も介護職員が不足しています。
生活相談員が偉そうにしてしまうのは、分かりますが、それで現場の職員が不足してしまっては元も子もありません。
現場が不足して生活相談員が介助を手伝うようになると、さらに仕事量が増えて、どうにも首が回らなくなります。
一番最初にも言ったように、生活相談員も介護職員も職種の一つなので、同じ立場で話しをするのが最も重要だと思います。
生活相談員が上とか、介護職員が下とか江戸時代じゃないんですから、上とか下とかじゃなくて、お互いの業務を理解するようにしましょう。
お互いがお互いの業務を尊重できるように、日々の業務をこなしていきましょう。