介護士さんから見ると、生活相談員さんは楽をしているように見えます。
「こんなに現場は忙しいのに、生活相談員は全然見に来てくれない。」
そう言いたくなる気持ちは、よくわかります。しかし、生活相談員を13年ずっとやってきて思うことは、生活相談員はとても忙しく、介護士の方が時間がたくさん取れるじゃないか!と思ったことが何度かあります。
ここでは生活相談員の1日を簡単に、紹介します。生活相談員さんて、結構忙しいんだなと思ってくれたら、非常にありがたいです。
目次
相談員の1日
ここからは私の特養とショートの相談員を兼務していた頃のスケジュールを紹介致します。あくまでも私が勤めていた施設のスケジュールなので、施設によって違うことをご了承ください。
8:30 朝出勤して、デイサービスの送迎の手伝い
9:30 デイの送迎の後、ショートステイの送迎(2〜3件)
10:30 ショートステイ送迎終了後、留守中に受けた、ショートステイの予約をデータにします新規のショートステイがあれば、この間に面接を行います。
12:00 休憩
13:00 ショートステイで帰る方の請求書の作成。薬も忘れないように請求書と一緒にしておきます。
14:00 家族に連絡をとり、ショートステイの料金を伝え、薬や保険証など、忘れ物がないように準備します
15:00 ショートステイの送迎(2〜3件)
16:30 デイサービスの送迎の手伝い
17:30 帰って来てから、書類の整理。
主に役所から提出するように指示のある書類を作ります。
処遇改善の書類や社会福祉法人減免の書類やら、多岐に渡ります
スケジュールに書けない作業がたくさんあります
この上のスケジュールを見たら、業務自体はスカスカで、「そんなに大したことないじゃん」と思う方が多いかもしれません。
生活相談員の仕事は毎日とりかかるといった類いの仕事がありません。仕事内容については「生活相談員の7つの仕事」でも紹介しておりますので参考にしてください。しかし、このスケジュールに書けない作業がたくさんあります。
例えばショートステイに来たけど、「薬が足りないから、家族に問い合わせてくれ」とか「ショートステイから帰ったけど、入れ歯が入ってないが、そっちで忘れてないか」とか、「Aさんが転倒したので、病院の受診に行ってほしい」とか、「デイサービスの営業にショートステイの担当も一緒に回ってほしい」とか、入所判定委員会があるので、その準備と会議の開催とか、花見に行くのでその予定表を作成するとか・・・etc
このようなスケジュールにない、本来の生活相談員の仕事とは違うことで、時間を取られます。これは利用者の人数が増えれば増えるほど、トラブルに対応する時間も増えていきます。
介護士さんと兼務している生活相談員
私は介護未経験で相談員になったので、現場を手伝うことはありませんでしたが、ほとんどの相談員さんは現場と兼務していることが多いです。介護士さんの人数が少なく、夜勤の人数が足りなければ、相談員が代わりに夜勤をしています。普段の仕事量プラス夜勤とか食事介助とかに入って、介護現場を支えています。これが一番大変ではないかと思います。
もちろん介護主任さんがしっかりしている事業所であれば、介護主任がうまく人手不足に対応をしてくれて、生活相談員が現場を手伝わなくてもいいように、気を使ってくれるところもあります。生活相談員の仕事を楽にしていくためには、介護主任さんをしっかり育てていくということも、考えていかなければなりません
介護士、看護師との話しあい
相談員さんは、介護士さんの意見が集まりやすいポジションなので、その意見をたくさん聞くことになるのですが、職員に対する愚痴や不満もたくさん聞かなければなりません。介護士さんと看護師さんの対立に挟まれたりもします。人間関係のことで、本当に悩んだときは、もうやめようと思ったことが何度もあります。少し愚痴っぽくなりましたが、生活相談員は、この人間関係を修復することもしていかなければなりません。そして、この人間関係修復にはものすごく時間が掛かります。上の人と相談して、配置を変えたり、規則を変えたり、会議を開いたりしながら何とか利用者のために、サービスを提供できるような状態にしなければなりません。
まとめ
生活相談員は給料の相場を見ても分かるように、介護士さんよりも少し金額が多めになっていると思います。やはりその分楽じゃないことがたくさんあるということです。1日のスケジュール通りで、話あいもなく、忘れ物もなく、家族からの相談もなく、職場の人間関係も良好であれば、そんなに忙しい職種ではないと思いますが、どうしてもトラブルは起きます。そして、生活相談員として、能力を問われるのは、このトラブルに出会った時です。トラブルは確かに忙しくて面倒ですが、これを一つ一つ乗り越えていくと、少しずつ成長していき、トラブルに対応する力がついていきます。生活相談員として力がつくと、少しずつ楽になっていくと思います。これから生活相談員を目指す方は、ここに書いてある情報を参考にして、目指していただければと思います。