令和3年介護報酬改定(在宅サービスの機能と連携の強化:令和3年1月18日時点)

訪問介護における通院等乗降介助の見直し

概要

○ 通院等乗降介助について、利用者の身体的・経済的負担の軽減や利便性の向上の観点から、目的地が複数ある場合であっても、居宅が始点又は終点となる場合には、その間の病院等から病院等への移送や、通所系サービス・短期入

所系サービスの事業所から病院等への移送といった目的地間の移送に係る乗降介助に関しても、同一の事業所が行うことを条件に、算定可能とする。
この場合、通所系サービス・短期入所系サービス事業所は送迎を行わないことから、通所系サービスについては利用者宅と事業所との間の送迎を行わない場合の減算を適用し、短期入所系サービスについては、利用者に対して送迎を行う場合の加算を算定できないこととする

これはうれしいですね。

デイサービスの利用者が「病院に送ってくれ」と言われた時はいつも冷や汗が出ていました。

令和3年4月からは、病院に送れます。

「白タク業になるからやってはいけない」とブログに書いたんですが、ちょっと変更しておかないといけません。

図にすると以下の通りです

訪問入浴介護の報酬の見直し

概要

○ 訪問入浴介護について、利用者への円滑な初回サービス提供と、利用者の状態に応じた臨機応変なサービス提供に対し適切な評価を図る観点から、以下の見直しを行う。
ア 新規利用者へのサービス提供に際して、事前の居宅訪問を行うなど、事業者に一定の対応が生じていることを踏まえ、新規利用者に対して、初回のサービス提供を行う前に居宅を訪問し、訪問入浴介護の利用に関する調整(浴槽の設置場所や給排水の方法の確認等)を行った場合を評価する新たな加算を創設する。
イ清拭又は部分浴を実施した場合の減算について、サービス提供の実態を踏まえ、減算幅を見直す。

単位数

<現行>               <改定後>

なし                  初回加算200単位/月(新設)

清拭又は部分浴を実施した場合は  →  清拭又は部分浴を実施した場合は

30%/回を減算             10%/減算

算定要件等

ア 初回加算
○ 訪問入浴介護事業所において、新規利用者の居宅を訪問し、訪問入浴介護の利用に関する調整を行った上で、利用者に対して、初回の訪問入浴介護を行うこと。
○ 初回加算は、初回の訪問入浴介護を実施した日に算定すること。
イ 清拭又は部分浴を実施した場合の減算(現行と同様)
○ 訪問時の利用者の心身の状況等から全身入浴が困難な場合であって、当該利用者の希望により清拭又は部分浴(洗髪、陰部、足部等の洗浄をいう。)を実施したとき。

退院当日の訪問看護

概要

○ 退院当日の訪問看護について、利用者のニーズに対応し在宅での療養環境を早期に整える観点から、主治の医師が必要と認める場合は算定を可能とする。

算定要件等

○ 医療機関、介護老人保健施設、介護療養型医療施設又は介護医療院を退院・退所した日について、厚生労働大臣が定める状態(利用者等告示第六号)にある利用者に加え、主治の医師が必要と認めた利用者に訪問看護費を算定できることとする。

※短期入所療養介護サービス終了日(退所・退院日)も同様の取扱い。

参考:厚生労働大臣が定める状態(利用者等告示第六号)

イ 在宅悪性腫瘍等患者指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態

ロ 以下のいずれかを受けている状態にある者

  • 在宅自己腹膜灌流指導管理
  • 在宅血液透析指導管理
  • 在宅酸素療法指導管理
  • 在宅中心静脈栄養法指導管理
  • 在宅成分栄養経管栄養法指導管理
  • 在宅自己導尿指導管理
  • 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理
  • 在宅自己疼痛管理指導管理
  • 在宅肺高血圧症患者指導管理

ハ 人工肛門又は人工膀胱を設置している状態

ニ 真皮を超える褥瘡の状態

ホ 点滴注射を週3日以上行う必要があると認められた状態(在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者)

看護体制強化加算の見直し

概要

○ 看護体制強化加算について、医療ニーズのある要介護者等の在宅療養を支える環境を整える観点や訪問看護の機能強化を図る観点から見直しを行う。

単位数

<現行>                <改定後>

(訪問看護の場合)

看護体制強化加算(Ⅰ)600単位/月 ⇒  看護体制強化加算(Ⅰ) 550単位/月

看護体制強化加算(Ⅱ)300単位/月   看護体制強化加算(Ⅱ) 200単位/月

(介護予防訪問看護の場合)

看護体制強化加算300単位/月      看護体制強化加算100単位/月

算定要件等

○要件について、以下の見直しを行う(訪問看護、介護予防訪問看護共通)

・算定日が属する月の前6月間において、利用者の総数のうち、特別管理加算を算定した利用者の占める割合について、「100分の30以上」から「100分の20以上」に見直し

・(介護予防)訪問看護の提供にあたる従業者の総数に占める看護職員の割合が6割以上であることとする要件を設定(令和5年4月1日施行)

※ 令和5年3月末日時点で看護体制強化加算を算定している事業所であって、急な看護職員の退職等により看護職員6割以上の要件を満たせなくなった場合においては、指定権者に定期的に採用計画を提出することで、採用がなされるまでの間は同要件の適用を猶予する。

緊急時の宿泊ニーズへの対応の充実①

概要

○ 認知症グループホームにおいて、利用者の状況や家族等の事情により介護支援専門員が緊急に利用が必要と認めた場合等を要件とする定員を超えての短期利用の受入れ(緊急時短期利用)について、地域における認知症ケアの拠点として在宅高齢者の緊急時の宿泊ニーズを受け止めることができるようにする観点から、以下の見直しを行う。

・「1事業所1名まで」とされている受入人数の要件について、利用者へのサービスがユニット単位で実施されていることを踏まえ、「1ユニット1名まで」とする。【告示改正】

・「7日以内」とされている受入日数の要件について、「7日以内を原則として、利用者家族の疾病等やむを得ない事情がある場合には14日以内」とする。【通知改正】

・「個室」とされている利用可能な部屋の要件について、「おおむね7.43㎡/人でプライバシーの確保に配慮した個室的なしつらえ」が確保される場合には、個室以外も認めることとする。【

単位数

※以下の単位数はすべて1日あたり。括弧内は2ユニット以上の場合。今回改定後の単位数

要支援2 788(776)単位

要介護1 792(780)単位

要介護2 828(816)単位

要介護3 853(840)単位

要介護4 869(857)単位

要介護5 886(873)単位

緊急時の宿泊ニーズへの対応の充実②

概要

○ 在宅高齢者の緊急時の宿泊ニーズに対応できる環境づくりを一層推進する観点から、(看護)小規模多機能型居宅介護において、事業所の登録定員に空きがあること等を要件とする登録者以外の短期利用(短期利用居宅介護費)について、登録者のサービス提供に支障がないことを前提に、宿泊室に空きがある場合には算定可能とする。

通所介護における地域等との連携の強化

概要

○ 通所介護について、利用者の地域における社会参加活動や地域住民との交流を促進する観点から、地域密着型通所介護等と同様に、その事業の運営に当たって、地域住民やボランティア団体等との連携及び協力を行う等の地域との交流に努めなければならないこととする。

退院・退所時のカンファレンスにおける福祉用具専門相談員等の参画促進

概要

○ 退院・退所時のスムーズな福祉用具貸与の利用を図る観点から、居宅介護支援の退院・退所加算や施設系サービスの退所時の支援に係る加算において求められる退院・退所時のカンファレンスについて、退院・退所後に福祉用具の貸与が見込まれる場合には、必要に応じ、福祉用具専門相談員や居宅サービスを提供する作業療法士等が参画することを明確化する。

算定要件等

○ 居宅介護支援における退院・退所加算のカンファレンスの要件について、以下の内容を通知に記載する。

・退院・退所後に福祉用具の貸与が見込まれる場合は、必要に応じ、福祉用具専門相談員や居宅サービスを提供する作業療法士等が参加するもの。

ABOUTこの記事をかいた人

生活相談員を13年やってました。 今はケアマネの資格を持って、ケアマネの経験もあります。 生活相談員としての業務が長いので、そちらを記事にしています。