ケアマネの逓減制緩和の要件って結局何?

2021年4月まであと2週間を切ったところで、いまだによく分からないのが、ケアマネの逓減制の要件です。

3月16日に公表した解釈通知の中にその要件となるICTの活用、事務員の配置について詳しいルールが盛り込まれていました

ケアマネのICT活用

厚労省は「ケアマネジャーの業務の負担軽減、効率化に資するもの」と記載。具体例として以下の2つをあげた。これらに該当するツールは幅広く認められる。

○ 利用者の情報などを共有できるチャット機能も備えたアプリをインストールしたスマートフォン

○ 訪問記録をいつでも残せる機能(音声入力も可)も備えたソフトを組み込んだタブレット

これってどんなソフト?

各社これは売れると思って開発をしているのでしょうが、具体的なイメージが湧かないですね。

この要件を満たすために、無料でやろうと思ったら、最初のチャットの要件は「LINE」か「Slack」ですね。

利用者さんごとにグループやチャンネルを作ってそこで情報交換すればできそうな気がします。

「LINE」はもともとグループに入ってなければ、他のグループを見ることはできませんし、「Slack」はチャンネルをシークレットにすることができるので、対応できます

2番目の要件として訪問記録をどこでも残せるタブレットですが、これは「Slack」しか対応できないですね。

Slackのダイレクトメッセージのところに、自分の名前が書いてあると思います。

そこに書いた内容は他の人が見ることはできません。

なので、自分の訪問記録として残せます。

しかもSlackはタブレットにも対応していますので、タブレットにインストールしてかくやすSIMを挿せば要件を満たせます!

しかしSlackの無料版は検索が制限されます。

「記録を検索するなんて、滅多にしないからいらないよ」と言われる方はずっと無料で使い続けることができます。

ところが「過去の記録全てを対象に検索をしたい」という方は有料版に切り替えないといけません。

そこはケアマネさんの判断が必要になります!

これは行政に確認して書いているわけではないので、行政に確認をしっかりとってから導入をしましょう。

個人情報に要注意!

厚労省は個人情報の取り扱いについて、医療・介護関係者向けのガイダンスなどを参考にするよう呼びかけている。

個人情報を持ち出すので、タブレットを持ち歩くケアマネさんは多くいると思います。

タブレットだけ準備して、今まで通り、「訪問して帰ってきてから入力しよう!」というケアマネさんがほとんどになるのかなと思います。

確かに、訪問した時に、訪問記録も全部済ませることができれば、帰ってきてから何もすることがなくなるので、それはそれで便利な気がします。

でも、浸透するにはかなりの時間がかかるでしょうね。

事務員の配置

一方の事務職員の配置。「その勤務形態は常勤でなくても差し支えない」との認識が新たに示された。

厚労省は「事業所内の配置に限らず、同一法人内の配置も認められる」と明記。ただし条件として、「常勤換算でケアマネ1人あたり、1ヵ月で24時間以上の勤務が必要」と定めている。

これは結構大事なニュースだと思っています。

つまりリモートワークでもいいですよということです。

ケアマネの給付管理と電話応対を、在宅でやってくれたらそれで要件をクリアできることになります。

意外と専業主婦の方や、子供さんがいる家庭で働きたいと思っている主婦の方は多いのではないでしょうか?

いまどきの情報共有はパソコン1台あればできるわけですから、意外と手軽にできるかもしれません。

これから要件を満たすために事務員を雇おうと思っておられる方は、正規雇用ではなく、リモートワークできる人を考えてみてはどうでしょうか?

ABOUTこの記事をかいた人

生活相談員を13年やってました。 今はケアマネの資格を持って、ケアマネの経験もあります。 生活相談員としての業務が長いので、そちらを記事にしています。