生活相談員をやっていると現場と上司との関係でよく板挟みになります。
施設長の何気ない一言で、現場の雰囲気がガラッと変わってしまいます。
少なくとも施設長は、ねぎらいの言葉や、感謝の言葉を言えるようにならないと現場から大きな反発を受けます。
生活相談員も同じで、「今日は人数少ないけど、大丈夫?」とか「風呂介助に入りますよ」とか、現場の役に立たないといけません。
目次
現場はスケジュールがきついです
特にこの1年(2019年)の感想です。
現場が人手不足になっているため、スケジュールが非常にきつくなっています。
ちょっとでも時間をロスすると、あとあとの業務に支障が出てきます。
介護士になったら、高齢者の方とお話をしたり、レクをしたりして、老後を楽しく過ごしてもらいたい
そう思って介護士になられる方が多いのですが、現実の介護士のスケジュールは高齢者とお話する時間は作られていません。
お風呂に誘導しながら、お話をして、お風呂に入っている間に少しお話をして、出たら、もう次の人を誘導しなければいけません。
人手があれば、もう少しのんびりできるのですが、なかなかできないのが現状です。
夢や希望を持って介護士になられた方が、最初につまづくのがこの現状です。
もちろん介護士の中には業務に追われるのではなく、利用者のために時間を取ろうという方もいらっしゃいます。
ここで派閥が生まれたりします。理想を追求する「キラキラ派」と現実の業務をこなす「もくもく派」です。
この対立に生活相談員がまきこまれることがあります。
どちらも正しいし、どちらも間違っていないのですが、なかなか折り合いが付きません。
「キラキラ派」にしても「もくもく派」にしても、人手が足りない現状では、スケジュールがきつくなるのは当たり前のことです。
上司の指示
こんなタイトなスケジュールの中、上司から「これを現場にやるように」という指示が出たりします。
現場はスケジュールがきつくなっているのに、新しい仕事が増えることになります。
そうなると「ちょっと今はできません」という答えになります。
それを聞いた上司は「なぜできないんだ!」と質問をしてきます。
こんなふうに言われると一気に力が抜けて「はぁ」とため息がでます。
「だったら施設長やってみてくださいよ!」と言いたくなります。
病院の場合
病院の場合は、院長が診察をしています。
当然、往診も先生がやっていますし、難しい患者さんも院長が直接診察をします。
その横で、看護師さんも院長のやることを見ています。
院長が現場にいるわけです。
院長さんの仕事は大変だなぁと看護師さんも思っていますから、院長が少々無理なことを言っても、ついてきてくれる看護師さんはいるわけです。
院長さんは経営にも携わりますし、現場のリーダー的存在でもあるのです。
ところが、「介護」の現場は違います。
施設長は、施設長室の中にいて、現場のことは知りません。
現場のことは、生活相談員や、介護主任さんに任せます。
つまり、現場と施設長がとても遠い存在なのです。
そんな遠い人から、あれやれ!これやれ!と言われても、腹が立つだけです。
まとめ
今回は介護施設は病院とは違うという視点で書かせてもらいました。
病院と違って施設長が現場にいないということが、大きな障壁になっているのではないかと私は思っています。
現場から上がっていって施設長になるのなら、まだ緩和されるのでしょうが、ほとんどの施設は、外部から来た人や、現場経験のない人が施設長をやっています。
現場経験がなくても、生活相談員はできますか?
と質問されることがありますが、現場経験がない生活相談員はかなり苦労すると思います。
介護士さんと一緒になって、泣いたり笑ったり、できる生活相談員にならなければなりません。
そのためには、事務所でずっとパソコンの前に座って作業をするのではなく、現場に足を運んで、話をしたり、手伝ったりするような生活相談員である必要があります。
これから生活相談員を目指す方や、今現在生活相談員として頑張っている方の参考になればと思います。