生活相談員の離職率はどのくらいだと思いますか?
生活相談員の離職率は5%という数字があります。
(※厚労省のデータの中には生活相談員だけの離職率はありません。転職サイトにあった数字なので希望的観測の数字ですが、私の周りではだいたいこのぐらいの離職率です)
介護関係の離職率は平成30年のデータで平均15%だそうです。
全ての職業だと厚生労働省の発表で平均9.4%です。
それを考えると、生活相談員の離職率5%は結構低いと思います。
意識の低い私ですら相談員を13年続けることができたのですから、比較的続けやすい職種なのかもしれません。
この記事では、この離職率に目を向けて、なぜこの率になるのかも深堀したいと思います。
目次
生活相談員の離職率はなぜ5%?
生活相談員の離職率は5%の理由ですが、考えられる理由をいくつか挙げてみました。
生活相談員は大変だ!と言われています。
しかし、実際の離職率を見るとそんなに高くありません。
そこには生活相談員を続けていける理由があるはずです。
まずは生活相談員の職業上のメリットとデメリットにフォーカスを当てて考えてみましょう!
生活相談員のメリット
生活相談員にも職業上のメリットはあります。
以下の内容が主なメリットだと私は考えています。
- 地位はそこそこ高い
- 夜勤がなく、体力的にきつい業務がない
- 給料も介護士よりも少し高い
- ある程度自分でスケジュールが組める。
一つずつ掘り下げて見ましょう
地位はそこそこ高い
生活相談員の施設の中の地位は、施設長のすぐ下か、事務長のすぐ下です。
もちろん生活相談員という役職はないですが、相談員という立場上介護士さんに伝達できるというポジションになります。
施設長や事務長が介護士に指示や伝達して欲しいことがあると、まず相談員に話しを持って行きます。
そうなると相談員は「施設長がこう言ってます!」とか、「事務長からの伝言です!」という伝達をします。
これを続けていると介護士も「この相談員はえらいのかな?」と思い始めます。
相談員も自分がえらくなったような勘違いをする方もいます。
もちろん相談員としての成果をしっかり出せば、役職も付いて地位もどんどん上がっていきます。
介護士からいきなり役職につくことはほとんどありませんが、相談員が役職につくことは珍しいことではありません。
夜勤がなく、体力的にきつい業務がない
介護の仕事で正社員になろうと思うと、どうしても夜勤がくっついてきます。
介護士でも夜勤がない正社員はありますが、求人としてはかなり少ないです。
生活相談員の業務には夜勤がありません。
介護士がどうしても足りなければ、相談員が夜勤に入ることがありますが、基本的にはありません。
相談員の仕事は、日中家族や外部のケアマネージャーと連絡を取る仕事なので、夜勤をして日中いませんとなると、かなり問題になるので、基本的に日勤しかありません。
夜勤がどうしても無理だなと感じる方にとっては、とってもいい仕事になります。
では、どんな仕事があるのでしょうか?
相談員の仕事の内容 こちらにまとめていますので、参考にしてください
給料は介護士より少し高い
介護士の求人と相談員の仕事を見比べたら分かると思いますが、相談員の方が少し給料がいいです。
介護士の平均給与と相談員の平均給与を比較すると、3万~5万の差があります。
ここにはリーダーの手当とか主任の手当などの役職手当は含んでいません。
介護職で役職の付いていない職員と相談員の給料を比較すると差が出てくるということになります。
もちろん施設によっては介護士の方が給料がいいというところもあると思います。
でも夜勤がなくて、給料も介護主任ぐらいもらえるのであれば、介護士よりは、働きやすいのではないかと思います。
仕事はある程度調整できる
介護士の仕事はある程度決まっていて、自分のペースで仕事をすることはなかなかできません。
ところが生活相談員の仕事は、自分一人でする仕事が多いので、順番もスピードもある程度コントロールできます。
この仕事は時間がかかるから夕方にやろうとか、今日は同窓会があるから、早めに仕事を切り上げようということもできます。
生活相談員のデメリット
生活相談員のメリットがあれば、デメリットもあります。
安易な気持ちで相談員になると、意外にも介護士の方がよかったと思ってしまいます。
相談員に応募する前にしっかり把握しておきましょう。
仕事の責任感が介護士よりも大きい
責任感が大きくなるというのは、よく分かると思います。
相談員が家族に利用の説明をして、相談員が家族と契約を交わすわけですから、「知りません」とはなかなか言えないです。
介護士であれば、勤務時間が来たら交代となりますが、相談員に交代はないので、トラブルが発生した際は、最後まで相談員が関わることになります。
生活相談員は上司の考えが優先される
生活相談員はそこそこ地位は高いのですが、トップではありません。
当然その上の上司の言うことが優先されてしまいます。
自分はこんな介護をやっていきたいとか、お客さんに対してもっとこんなサービスをしたいと思っても上司がダメと言ったら勝手なことはできません。
上司と仲良く仕事ができれば問題ないのですが、上司の考えに合わせることができなくなると、仕事はきつくなってきます。
上司のご機嫌を気にしながら仕事を進めるというのは、デメリットになります。
営業・売上・サービスを回せないとつらい
最近の高齢者施設は一般の企業も参加してきているので、高齢者の取り合いになることが少なくありません
都市部はまだ高齢者の数が多いので、利用できる施設を探すのが大変ですが、地方の施設になると逆転しています。
つまり、高齢者の数よりも利用できる施設の方が多いのです。
そうなってくると、相談員がケアマネジャーや病院の地域連携室に行って利用者を獲得しなければなりません。
居宅介護支援事業所と病院に自分の事業所のパンフレットを持って売り込みに行きます。
営業がどうしても苦手という人は、この相談員の集客でつまずくことが多いです。
上司からはベッドを埋めろとか、利用者の数を増やせと言われてプレッシャーに感じてしまいます。
営業が得意な人はどんどん顔をつないで、利用者を獲得して難なくできるのでしょうが、苦手な人はそうはいきません。
また、営業だけできても、サービスがうまく回せないのもよくありません。
利用者を獲得して終わりではなく、アフターフォローや改善することもしっかり聞いて対応しなければなりません。
こういったことが苦手な人は、生活相談員はちょっときついと思います。
やってる仕事のわりに賃金が安い
生活相談員の仕事は多岐にわたります。
介護職員の話を聞いて改善を行ったり、家族の人の相談に乗ったり、利用者の話もきかなければなりません。
さらにケアマネの要望にも応えるように、いろいろと段取りしていると、あっと言う間に仕事だらけになります。
また部署間にある「どちらでもない仕事」というのがあります。
そういう雑用的な仕事を請け負ったりもします。
さらに、利用者が急変して息が止まったりすると、必ず相談員が呼び出されます。
体調の悪い利用者がいると、朝から晩まで働くようになります。
私も本当に忙しい時は月に2回しか休みがとれない!ということもありました。
正直ここまで働くと、もらっている給料と比べてもなんとなく合わないなぁと思うことがありました。
この仕事のわりに給料が安いという問題は、どこの施設でも共通に抱えている問題でもあります。
介護職と相談員はどちらがいい?
これまで相談員のメリットとデメリットを介護職員から見た視点で説明してきました。
では介護職と相談員はどちらがいいのでしょうか?
私は介護職よりは生活相談員の方が楽しかったので、生活相談員をオススメします。
これも人によって違うのが正直なところです。
私の個人的な意見ですが、もし介護職をやっていて、「ほんとに介護は大変だ!」と思っている方は生活相談員は難しいかなと思ってます。
生活相談員の求人を見てみましょう
「相談員」でindeedで検索すると、めちゃくちゃ出てきます。
広島市安佐南区で年収300万以上でという検索をかけるとなんと10件ありました。
募集案件は常にあります。
介護職応援プロジェクト実施中!介護・福祉の転職サイト『介護JJ』生活相談員の仕事とは?
- 利用者の利用開始や中止に関する書類作成(契約等)
- 利用者や家族への連絡やケア相談
- ケアマネジャー、他機関、地域との連絡・調整
- 施設内、事業所内の連絡・調整・スケジュール作成
- 介護職員の手伝い
- 施設見学者の接客業務、苦情対応
- 個別支援計画書の作成
- その他施設の営繕管理(電気の交換やトイレの詰まりの改修など)
まとめ
生活相談員は男性の方でも女性の方でもなることができます。
コミュにケーション能力がとても重要になりますが、普通の会話が普通にできれば、誰でもなることは可能だと思います。
介護士をやっておられた方は、その経験も十分活かすことができますので、ステップアップするためにも挑戦してみてはいかがでしょうか?