9月の終わりに「利用者の自己選択と、自己決定」についての研修を行いました。
利用者が自分で選択して生活を送ってもらいたい、というのは介護士の願いでもあります。
生活相談員としても、こちらから、サービスを押し付けるのではなく、自分で選択し決定をして、日々生活を送ってもらいたいです。
その研修の中で「利用者が自分で選択することができていない場面を上げてみましょう」というグループワークを行いました。
そのグループワークの中で「動物と一緒に暮らしたい、という利用者の要望に答えることができない」という意見がありました。
その意見が出た時なんと答えていいか、迷いました。
グループワークで話し合った結果なので、否定することはできませんが、動物を施設で一緒に飼うのはちょっと難しいですよね。
目次
動物と一緒に入所する難しさ
以前私が担当していた時、やはり猫と一緒に施設に入りたいと言われる方がいました。
「ゲージの中に入れたまま、飼ってみたらどうか」
「ベランダで飼ってみたらどうか」
「施設の庭で、飼ってみたらどうか」
などなどいろいろな意見がでました。
しかし、反対意見も多く存在します
「猫の排泄はどうするのか」
「結局職員が世話をするようになるのではないか」
「犬の散歩はどうするのか?犬が死んだら、火葬は誰がするのか?」
「本人が亡くなったとき、犬が残っていたらどうするのか?」
等々、多岐にわたって、検討しなければいけないことがあります。
動物と一緒に入所するというのは、一般の施設ではハードルが高いです。
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アニマルセラピーに頼る
動物を施設に頼むのが難しいようなら、アニマルセラピーの方に来てもらい、動物とのふれあいを楽しんでもらおうと考えました。
ある利用者さんが、家で猫を飼っていて、入所するために、その猫を保健所に預けてきたそうです。
特養で生活していて、度々猫のことを話されて、もう一回会いたいね、と言われていました。
アニマルセラピーの方と交渉をして、猫を連れて来てもらうことにしました。
毎日は無理ですが、月に1回くらいならいいですよと快く承諾して頂きました。
利用者さんもきっと元気になるだろうと思って、「猫がここに来ますよ」と伝えました。
当然利用者さんは、とても喜んでいただきました。
しばらくして、アニマルセラピーの方が来られて、利用者さんとも楽しく過ごしていただきました。
はぁ、よかった!と思ったのですが、利用者さんは「自分が飼っていた猫に会いたい」と一言。
なかなか利用者の要望に応えるのは難しいなぁと感じました。
結局、アニマルセラピーさんは3ヶ月続いて、中止となってしまいました。
まとめ
結局動物と介護というのは結び付きそうではあるのですが、現実問題としてなかなか難しいということがわかると思います。
そんなハードルの高い、動物と一緒に入所ですが、それを実現している特養があります。
それが、さくらの里山科という特別養護老人ホームです。
ホームページを見る限りでは、どんな問題があって、どんな方法でそれを克服したのか?というところまでは分かりませんが、動物を受け入れているというのは、とてもすごいことだと思います。
おそらく、日本でただひとつの特別養護老人ホームではないかと思います。
特養の定員がなかなか埋まらないという施設は是非参考にしてみてはいかがでしょうか
これから生活相談員を目指す方や、今現在生活相談員として頑張っている方の参考になればと思います