「小規模多機能型施設」という言葉を聞いたことがあると思います。
名前は聞いたことがあるけど、実際にどういうことをしているか分からない、という人が多いのではないでしょうか
私も、今の職場で働くまで全然どんな施設か知りませんでした。
目次
簡単に小規模多機能の紹介
小規模多機能という施設は、
- ヘルパー、デイサービス、ショートステイを全部合わせた施設です
- 基本的に登録制です
- 登録しておけば、上記のサービスはいつでも利用できます
- ゴミ出しや、ちょっと安否確認をするだけでもサービスを利用できます
- 料金は月額 ◯◯円という形で固定されています
- 登録していたら、基本的に登録した施設以外は使えません
- 訪問看護、訪問リハビリは併用して利用可能です
以上が小規模多機能の特徴です。
居宅介護支援事業所とは違います
居宅介護支援事業所がプランを立てた場合と、小規模多機能で立てたプランとでは少しだけ違います。
居宅介護支援事業所のプランは制度にないサービスは提供できません。
例えば、デイサービスに言って入浴だけして、すぐに帰るということは、居宅介護支援事業所が作るプランではできませんし、デイサービスも最低の時間を切っているので、介護報酬がもらえません。
ところが、小規模多機能のデイサービスは、お風呂だけ利用して帰るという利用ができます。
その他にも、お昼ご飯だけ食べて帰るということもできます。
ヘルパーも同じです。
ちょっとゴミ捨てだけに行って欲しいという要望に対して、居宅介護支援事業所はプランを立てることができませんが、小規模多機能はできます。
なので、小規模多機能は痒いところに手が届く、画期的な施設なのです。
小規模多機能施設の限界
先程の解説では、小規模多機能のいいところばかり書きましたが、実は限界もあります
ショートステイはいつも空いているわけではありません。
もちろん泊まりたい人が多ければ、ベッドはすぐにいっぱいになります。
そうなると、どうしても使いたいときに空いていなければ大変です。
普通の居宅であれば、空いているショートステイを探すのですが、小規模多機能は他施設を使ってはいけないので、我慢するか、何かで入院してもらうしかありません。
他にも、小規模多機能の職員が少ないので、対応できないということがあります。
どう見てもこの利用者は週に5日は何らかのサービスが必要と思っても、小規模多機能に人員がいなければ、週に2回くらいしか、対応できないことになります。
このように、施設設備に限界があることと、人員の数が少ないことで、対応できないということがあります。
小規模多機能と言っても、完璧ではありません
まとめ
小規模多機能は痒いところに手が届くという画期的な施設で、話題を集めましたが、実際には運用面でかなり困っています。
ショートステイがいっぱいだからよそのショートステイを利用しようとしても、利用できないので、家族の負担が増えたり、ヘルパーにずっと来てもらったりします。
利用者の状況をしっかり考えて、居宅介護支援事業所がいいのか、小規模多機能がいいのか、見極める必要があります。
これから生活相談員を目指す方や、今相談員として頑張っている方の参考になればと思います。