居宅介護支援、自己負担について 賛成・反対意見まとめ

15日の財務省の審議会で改めて俎上に載せられたケアプランの有料化 。

居宅介護支援のケアマネジメントでも自己負担を徴収し始めることを意味するが、これは長いあいだ論じられてきました。

2021年の改正のときに、変更になると思われていましたが、今回も延期となりました。

おそらく次は2024年の改正で始まるかどうかというところだとおもいます。

今回は賛成意見と反対意見をまとめてみようと思います。

有料化賛成意見

○ 保険料の高騰により企業や現役世代の負担は限界に達している。制度の持続可能性を確保するために見直すべき。

○ 能力のある人には負担して頂くことも重要。

○ 利用者負担を導入すれば給付費の適正化につながる。低所得者への対応は高額介護サービス費で対処すべき。

○ ケアマネの処遇改善を図るのであれば、財源確保のために利用者負担を導入すべき

○ ケアマネの専門性を評価する意味で利用者負担を求めるべき。家族・利用者にケアマネジメントへのコスト意識を持ってもらうため、一定の負担は必要。

○ 利用者の意向を反映するべきとの圧力については、ケアマネの専門性の向上やケアマネジメントの標準化などで対応すべき。各サービスには定率の利用者負担があるので、給付費の増加には直結しない。

○ 施設給付にはケアマネジメントが包含されており、均衡を図るべき。

○ 制度創設から20年が経ち、サービス利用も定着するなかで、他のサービスでは利用者負担があることを踏まえ、見直しを実施すべき。

有料化反対意見

○ あらゆる利用者が公平にケアマネジメントを活用し、自立した日常生活の実現につながる支援が受けられるよう現行制度を堅持すべき。

○ 利用する側が受ける不利益について十分に議論すべき。気兼ねなく相談できる環境を確保すべき。

○ 介護保険制度を初めて利用する人にとっては、ケアマネジャーのサポートがないとサービス利用につながりにくい。利用者負担を導入すれば、サービスの利用抑制が生じる危険性がある。

○ 有料だからとサービス利用をやめてしまう人が出る。

○ ケアマネジメントにより自立支援の調整が図られてきており、今後、単身世帯の増加や年金水準の低下も懸念されるなかでは、相談支援でインフォーマルサービスにつなげることも重要となる。

○ ケアマネは保険者の代理人、市町村の代わりを担う立場とも言え、利用者負担を求めることになじむのか疑問。

○ ケアマネジメントは過剰サービスを抑制する役割を担うが、利用者負担を導入すると、利用者の意向を反映すべきとの圧力が高まり、給付費の増加につながる。

○ 利用者や家族の言いなりにならないか、セルフケアプランが増加し自立につながらないケアプランとならないか、などの課題がある。

まとめ

今回は賛成意見と反対意見を記載してみました。

私は基本的に反対です。

「お金払うんなら、来なくていい!でもデイサービスには行きたい!」

と言われたときにどんなふうに対応していいか正直言って分からないです。

正直に言うと、もし有料化になるのなら、低所得者は減額してサービスを受けられるようにしてもらいたいです。

さらに、高所得者が「ケアマネいらないけど、デイサービスは使いたい」という人をどのように対応するのかも決めていただきたいですね。

 

ABOUTこの記事をかいた人

生活相談員を13年やってました。 今はケアマネの資格を持って、ケアマネの経験もあります。 生活相談員としての業務が長いので、そちらを記事にしています。