生活相談員の板挟み!家族編

家族と本人の板挟み

生活相談員をやっていると、色々なところで板挟みになります。その中でも、家族と利用者の板ばさみというのが一番解決が難しいと思っています。結論から言うと、家族よりも本人の意思が優先しなければいけません。非常に難しいことですが、生活相談員の立場からすると、家族よりも本人です。割合から言うと、家族が49%で本人が51%ぐらいの割合です。

家族の要望

デイサービスやショートステイを利用するということは、家族としては安心を意味します。お金はかかるかもしれませんが、親が1人で生活していて、他の人に迷惑をかけるんじゃないかと思うと、気になって仕事どころではありません。

本人の要望

本人としては出来るだけ、住み慣れた家で、自分の好きなように生活したい、と思っています。つまり、できれば、デイサービスとかショートステイには行きたくないなぁと思ってます。家族には迷惑かけたくないと思っているので、ついついサービスに行くようにしますけど、本心は家にいたいなぁと思っています。

生活相談員は利用者の代弁者

生活相談員は家族の話も聞かないといけないのですが、家族の意見ばかり聞いていると、本当に本人のためになっているかどうかを見失ってしまいます。特に利用者が認知症になってしまうと、本人の希望も一瞬で変わってしまうので、本当にこれが本人の希望なのかさえ分からなくなってきます。それでも、家族の希望と本人の希望が違うなと思ったときは、本人に代わって、本人の希望を家族に伝えなければいけません。

板挟み

上記のように、本人の希望を家族に伝えていると、板挟みが起こってきます。板挟みになったときは冒頭にも書いたように、ほんのちょっと利用者を優先させてあげてください。家族が、本人をお風呂に入れて欲しいと言われ、本人は入りたくないと言われたときは、私はなるべく本人の意見を聞くようにします。しかし、風呂の場合は清潔に関わってくるので全部本人の意見を聞くわけにもいきません。そういったことがあるので、49(家族)対51(本人)という比率を大事にしてください。

板挟みにならないようにするには?

上記のような板挟みになると辛いですよね。できれば、家族の言う事だけ聞いて、利用者本人の意見は耳を伏せておきたいと思うのが本音ではないでしょうか。

気持ちは痛いほどよくわかります。しかし、ここで家族さんだけの思いに流されてしまっては、生活相談員はただの「ご用聞き」です。

自分の意見や、本人の思いなどを代弁してあげましょう。もちろん「こうした方がいいです」とか「それはやめた方がいいです」と言うような断定的な意見はダメです。

あくまでも、こんな感じでどうですか?とか、「こうすればもっとよくなるんじゃないですか?と言う風にお客さんに選択権があるんですよ。と言うアドバイス方法にするといいです。

話がずれてしまいましたが、板挟みにならないようにするためには、当然の事ですが、これをすれば間違いないと言う方法はありません。

ただ言えることは、しっかり家族とコミュニケーションをとることです。「なぁーんだそれだけ?」と思うかもしれませんが、意外と家族には連絡をしていないものです。特に問題の無い人ほど連絡をしていません。

今日も「カラオケ歌っておられましたよ」とか「ご飯しっかり食べられましたよ」とか、問題の無い人に連絡をとって、コミュニケーションをしっかり取りましょう。

元気な人に連絡をして、問題無いだろうなと思っていても、意外と家族は困っていたりするものです。そこをしっかり引き出して、聞いて行くと、信頼関係も築かれて、板挟みで困ると言うことはなくなっていくと思います。

まとめ

生活相談員をやっていると、家族が「面倒見られないし、デイサービスに毎日行ってください」と言われると、そうですねと言って、毎日利用にしてしまいそうになります。しかし、そこですぐにサービスに結びつけるのではなく、まずは、その利用者に関わっている人たちに相談を持ちかけましょう。ひょっとしたら、自分達が思っているのと違う本人の状況が見えて来るかもしれません。

ABOUTこの記事をかいた人

生活相談員を13年やってました。 今はケアマネの資格を持って、ケアマネの経験もあります。 生活相談員としての業務が長いので、そちらを記事にしています。