フィンクの危機モデルについて

フィンクの危機モデルとは(救急医療の患者さんの心理状態)

救急医療の対象となる患者さんの多くは、怪我をしてから入院までの過程が突然で、心の準備ができていません。

そして怪我が重症で、患者さんに説明している時間がなく、すぐに治療しなければならない状態のことが多いです。

このような状況で、患者は心の不安・恐怖を感じ、精神的な危機に陥りやすくなります。

その危機的状況から自分自身の現状を受け入れていくまで、4段階のステップを踏むそうです。

これをフィンクの危機モデルというのだそうです。

第1段階ショック段階

例えば、「認知症」とあなたが診断されたら、あなたはどう思うでしょうか?

私はかなりショックを受けます。

自分がしている仕事ができなくなったり、職員さんの顔が分からなくなったりしていくのかと思うと、すごい恐怖に襲われます。

これが第1段階のショック段階です。

映画「明日の記憶」でも認知症と告知された主人公がパニックに陥っていました。

このようなことは高齢者でも起こります。

この第1段階の時は、あらゆる危険から利用者を保護し、誠実で思いやりのある態度で付き添い、静かに見守ることがよいとされています。

第2段階 防衛的退行

自らを守る時期で、危機的状況に直面できずに、現実逃避、否認、抑圧のような防衛機制で事故の存在を維持しようとする

「あの医者は認知症と言ったが、嘘をついているのではないか?」

「認知症を直す薬があるのではないか?」

「そもそも、あの時、ビールを飲みすぎたから認知症になったのではないか」

こんなふうに考えるようになります。

こんな状態が第2段階です。

この時は、現実に目を向けさせるのではなく、利用者のありのままを受け入れ、そばに付き添い、利用者を支持し、安全を保障するのがよいとされています。

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第3段階 承認

機器の現実に直面する時期であり、自己イメージ喪失を体験し深い悲しみ、強烈な不安を示すが、自己を再調整していく

ひょっとしたら治るかもしれないという、希望がことごとく打ちのめされて、どうしようもないと悟った状態と言えるでしょう。

ここでも同じように大きな不安を感じます。

大きな不安を感じますが、病気から逃げることはできないということは自覚しています。

こんな状態の時は、安全を保障しながら危機に対して、自ら問題解決に取り組めるように支援することがよいとされています。

第4段階 適応

建設的な方法で、危機への適応の望ましい形で、新しい自己イメージや価値観を築いていくことができる状態です。

ここまで来ると、危機への適応は安定していると考えていいと思います。

高齢者の方も、いろいろな病気と向かい合い、突然死の宣告を受けることもあります。

精神的なショックを受けるところから適応に至るまで、生活相談員もしっかりと寄り添うことが重要だと思います。

まとめ

危機モデルはフィンクだけではなく、いろいろな考え方がありますので、興味のある方は調べてみると面白いと思います。

この危機モデルは、病気のことだけではなく、事故や突然の別れなどでも同じような状況になると考えられています。

生活相談員として、利用者が今どの段階にいるかをしっかり見極めて、援助する内容をしっかり確かめて、利用者と接していきましょう。

対応を間違えると、鬱状態になったり、喪失感に悩まされたりしますので十分に注意しましょう。

これから生活相談員を目指す方や、今現在生活相談員としてがんばっている方の参考になればと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

生活相談員を13年やってました。 今はケアマネの資格を持って、ケアマネの経験もあります。 生活相談員としての業務が長いので、そちらを記事にしています。