目次
指定取消・停止処分が増えています
厚生労働省は9日、何らかの問題で自治体から指定の取り消し・効力停止の処分を受けた介護サービス事業所が、2019年度の1年間で153件だったとの調査結果を公表した。
件数は前年度から横ばいで推移。介護保険制度開始からの累計は2748件にのぼった。
本当に増えています。
このブログでも気をつけることを、発信していますが、なかなか防ぎようがないですね。
これは持論ですが、これだけ不正請求が多いのは、一つ大きな理由があると思っています。
それが「退職者からの引き継ぎ」だと思っています。
介護業界の離職率はいまだに高い状況だと思います。
前回の実地指導の時に立ち会った職員が、辞めてしまって、指摘されたことがそのままなかったことにされてしまいます。
そうして、次の担当者が、ろくな引き継ぎもされず、担当になってしまい、書類や確認事項は前任者の書類をそのまま使用します。
そうして、次の実地指導の時は、前回指摘されたそのままを、もう一度指摘されることになります。
こういうことが、高齢者施設で繰り返されているのではないでしょうか?
監査や実地指導で指摘を受けたことは担当者に任せるのではなく、施設全体のこととして、改善に取り組む必要があるのです。
どんな事業体が処分?
今回、処分を受けた事業所の68.6%は営利法人。社会福祉法人は14.4%、医療法人は9.8%だった。
指定取り消しの主な理由(重複あり)をみると、介護報酬の不正請求が57.7%で最多。このほか、虚偽報告が30.8%、法令違反が16.7%、運営基準違反が15.4%などとなっている。
社会福祉法人の処分が少ないというのも、理由があると思います。
社会福祉法人の場合、指導に入る回数が多いというのが理由の一つだと思います。
だいたい2年に1回くらいのペースで何らかの検査が入ります。
それは法人や会計の指導だったり、現場の指導だったりして、その都度社会福祉法人は慌てて、いろいろなことを見直します。
ところが、営利法人の場合だいたい6年に1回です。
極端な場合、6年間不正をしていても、気づかないことになります。
先ほどの引継ぎがうまくいっていないというのもこの6年間で、発生してしまいます。
厚生労働省は実地指導を推奨
厚労省は調査結果を踏まえ、全国の自治体に対し、「不正が確認された場合には厳正な対応をお願いしたい」と改めて要請。「不正請求や基準違反、虐待などは制度全体の信頼の失墜につながる」と引き締めた。
2019年度の実地指導の実施率(*)は、事業所ベースの全国平均で18.0%だった。厚労省はより積極的な実施を自治体に要請。「少なくとも指定の有効期間内(6年)に1回以上の実地指導が行われることが望ましい」と求めた。
厚生労働省も6年の間に1回は実地指導を受けた方がいいよ!と言っています。
実地指導後はみんな気を付けていますが、間が空くとどうしても、不備が出てきてしまいます。
まとめ
自分たちは大丈夫だと思っても、意外なところで不正請求をしてしまっているかもしれません。
私はできれば、内部監査をしっかりやっていくことをお勧めします。
内部監査の監査項目は、役所が出している自己点検シートを活用すれば、ほとんどの不正が分かるようになっています。
是非とも自己点検シートを活用して毎年チェックして、不正請求の早期発見と早期解決につとめてください!