利用者にサービスを利用していただくと、必ず事故が起こります。小さい事故から大きい事故まであります。
ほとんどの家族さんは事故に対して、仕方ないよと言ってくれますが、中には許してくれないお客さんもいます。
そんなお客さんとのトラブルにならないためにも、施設を利用するリスクを説明することは生活相談員にとって、とても重要です。
お客さんは、高齢者施設なんだから、ちゃんとやってくれていると思ってますし、プロがやっているのだから、事故は起こらないと思っています。
目次
完璧な介護は不可能です。
まずはお客さんに、完璧に介護することは不可能だということを伝えましょう。
もちろん事故が起こらないように、細心の注意を払って、介護をしていくのですが、それでも行き届かないところは必ずあります。
高齢者施設と言っても色々な高齢者の方が利用されるし、お部屋や食堂を自由に行き来できるようにしているので、事故が起こるということを伝えましょう。
病院ではリスクの説明は当たり前です
介護施設では、リスクに関する同意書をもらうことは少ないですが、病院では必ず説明するようになっています。
特に手術をする時に、手術前のリスクの説明があります。麻酔をかけますので、手術後に意識が戻らないことがあるとか、必ず手術が成功する訳ではないとか・・・。
病院と同じように、高齢者施設でも、リスクに関する説明をすることをお勧めします。
うちのおばあちゃんはどうなってもいいから!と口では言いますが、実際に事故があると、皆さん施設に対して不信感を抱きます。
事故に合うと気が動転するのと、なぜ自分の親だけ、こんな目に合うのかといった自分だけ被害にあってると思いやすくなります。
このような状態をできるだけ避けるためにも、リスクに関する同意書をとっておかなければなりません。
リスクに関する同意書、記入内容
「入所時リスク説明書」の記入内容を紹介したいと思います
- 歩行時に転倒、ベッドや車椅子から転落し、それにより怪我をすることがあります
- 高齢者施設では、拘束をしないので、転落の事故の可能性があります
- 高齢者の骨は脆くなっているので、少しの衝撃で骨折する可能性があります
- 高齢者の皮膚は薄くなっているので、体を洗う時にこすっただけで、皮膚の皮が剥がれることがあります
- 加齢や認知症により、飲み込む力が低下し、誤嚥や誤飲による窒息をすることがあります。
- 加齢により、脳や心臓の疾患によって、急変、急死することがあります
- 高齢者の血管はもろくなっているので、少しの打撲でも、皮下出血が起こることがあります
- 本人の状態が急に悪化した場合は、等施設嘱託医または看護師の判断で、緊急に病院に搬送することがあります
- 本人の強い希望で外に出られた場合、職員が付き添うことはできません。それにより不慮の事故に合う可能性があります。
以上のような内容を、記入しておき、一つ一つ説明して、施設でも事故が起こるのですよ、という認識を持ってもらいましょう。
他にも、自分の施設で起こりそうなことは、ここに足しておくといいと思います。
箇条書きにしていますので、左側を□にしておいて、チェックを入れてもらい、最後に記名、捺印を押してもらうといいと思います。
リスクに関する同意書にサインしない
ごくたまにですが、このリスク同意書にサインできないという家族がいます。私が、同意書をもらっていて5年に1人ぐらいで、同意できないと言われる方がいました。
当然ですが、同意頂けなかったら、ショートも特養も利用できません。
ケアマネさんには申し訳なかったですが、これに同意頂けなかったら、利用はできないですと言って、断ることとなりました。
まとめ
リスクの説明は高齢者施設は必ずすることをお勧めします。上記の内容を見ても分かると思いますが、どの事故も全く起こらないということはありません。
利用者や家族にそのことを分っていただきましょう。
私が相談員の時は、契約と重要事項と、反社会勢力と関係ない、個人情報、リスク管理。この5点セットは必ず持って行ってました。
まだリスクの説明をしていないという事業所は、ぜひ参考にしてください。