生活相談員は必ず上司がいます。上司は嫌だなぁとみんな思います。まだ面白い上司だといいのですが、毎日イライラして怒っている上司はできればあまり関わりたくないです。ここでは生活相談員として、どんな風に上司と接したらいいかを紹介していきたいと思います。
目次
福祉の上司について
上司には期待を持たないように
本当にすごい人というのは100人に1人くらいです。その100人に1人のすごい人が福祉の世界に来るかどうか疑問ですし、自分の上司が100人に1人のすごい人になるという確率はすごく低いような気がします。
福祉にはいい上司がいない?
これは私の考えですが、福祉の世界で、本当にすごい上司はいないと思います。どちらかと言うと保守的な方が多いです。現在の自分のポストを守り、新しい何かに挑戦することはせず、決められた範囲で実績を出せと下の人に命令するような人です。
福祉のはクセが強い!
福祉はいい上司がいないと聞くと嫌だなぁと思いますが、福祉の世界にはクセがあります。
- 売り上げの限界(天井)が決まっている。(ベッド数が決まっている)
- 需要が高いからと言って、値上げできない(介護保険でもらえる額が決まっている。
- 新商品の開発はできない。(介護保険の範囲から出て新しいことはできない)
この福祉のクセ(保守的な運営)の中にどっぷり浸かって評価された人が、上に上がっていくわけですから、それがどんな人かだいたい想像がつきますよね。
生活相談員は上司とどう付き合うのか
上司のあるべき姿を捨てましょう
上司はこんな人がいいという思いを捨てましょう。もし、自分のなかに理想があると、自分の理想と現実が違い過ぎて、いやになってきます。私もできれば、NARUTOに出てくる、シカマルのような頭のいい上司が、自分の上司だったらいいなと思っていました。残念ながらそんな上司はいません。むしろ漫画に出てくるサブキャラ的な人が上司になっていることが多いです。あるべき姿を持ってしまうと、そのギャップに苦しむことがありますし、こちらもとても腹立たしい気持ちになることが増えます。
上司に協力するという立場になりましょう
上司のあるべき姿を捨てるのと同様に、上司に協力するという立場は守って行きましょう。「こんな上司に評価されたくない」とか「なんでこんな上司の言うことを聞かなければいけないのか」という気持ちはよくわかります。しかし、上司と生活相談員の関係が悪いと、困るのは介護士さんです。これは私の経験ですが、生活相談員と上司の関係が非常に悪く、意見が対立することがよくありましたし、会議を開いても言うことが違っていて、どっちの言うことを聞いていいか分からないという状態になりました。そうなると介護士さんは大混乱です。「なんでこんなことをしたんだ」と上司が介護士さんに聞くと「相談員から指示がありました」となります。「あいつの言うことは聞かなくていい」なんて上司から言われると、もうこの施設はオワコンだなと思います。
生活相談員の立場をわきまえて、上司の言うことに協力するという姿勢にならないと、施設内が混乱しますし、人がどんどん辞めて行きます。ここは自分をグッと抑えて、「こうした方がもっとよくなるのではないですか?」とか「問題を一緒に考えてもらえませんか?」というふうに、上司に寄り添いながら、自分の思っている方向に少しずつ誘導していくことが大事です。福祉施設の上司は保守的な人が多いので、新しいことを提案するよりも、過去にこんなことがあったとか、他の施設でこんなことがあったので、取り入れてみましょうと言うと、聞いてくれることが多いです。
報告・連絡・相談は早めにしましょう
これは福祉だけに限ったことではありませんが、「ホウ・レン・ソウ」をしっかりしましょう。上司も仕事が遅いとか、失敗したということよりも、報告が遅いことにイライラしていることが多いようです。締め切りギリギリになって、書類を提出してきたら、書類を直そうとしても全然間に合いません。
ホウ・レン・ソウのコツ
まずは「報告」これは頼まれた人に、頼まれたことを返すことが重要です。頼まれた人以外の人にいくら報告しても、頼んだ人に報告が来なければ、やっていないのと同じです。しかも頼んだ人が、他の人から報告を受けても「彼に頼んだのに、なんで他の人から報告がくるのか」という不信感にもつながります。
「連絡」で大事なことは、「途中で、連絡する」ということです。「今ここまでできてます」とか「頂いたしごとを、こういうふうに進めていますが、方向はあってますか」とか、完成していなくても、途中でいいので連絡をしましょう。そこで軌道修正したり、上司の意見をうまく取り入れたりできます。
「相談」で大事なことは、何も調べず、何も考えず「どうしたらいいですか?」と相談することです。上司からは「これやっといて」と丸投げされますが、こちらから「どうしたらいいですか?」とすぐ丸投げ返しをしてはいけません。必ず一旦受けて、書いてある資料を読み、ここを調べたらいいかなというぐらいは考えましょう。
自分で調べるよりは、聞いたほうが早い!
これを言われる人が、とても多いことに驚きます。確かに、全部聞いた方が、作業する人は早く終わるかもしれませんが、人から聞いてやった仕事というのは全く身になりません。運転をしていたら分かると思いますが、人の運転で行き方を教えてもらった道は、全く覚えていません。ところが、迷いながら自分で運転して行ったところは、はっきり覚えていますし、こっちの方が近いのではないかと、工夫も生まれてきます。
なるべく自分で調べて、自分で仕事に取り組んでみて、ここがわからないという箇所が出てきたら、上司に相談しましょう。できれば、ここと、ここを調べて、それでも分からなかったということを一緒に伝えましょう。そうすれば上司も、教えればいい場所がわかりますし、教える時間も少なくてすみます。「どうしたらいいですか」という丸投げはやめましょう。
上司の状況も理解しましょう
上司は自分の仕事をなかなか、下の人には伝えません。しかも生活相談員は色々な業務をこなしているので、話をする時間がないため、生活相談員に自分の仕事を伝える時間がありません。「上司は何をやっているか分からない」と言いたくなる気持ちはわかりますが、上司も自分の仕事を理解してもらいたいと思っています。上に書いた「ホウ・レン・ソウ」をしっかり行い、それと同時に、上司の仕事の状況や、上司の置かれた立場も聞くようにしましょう。
「自分が上司だったら」と考えることも重要です。職員Aと職員Bの仲が悪いと言う報告を上司にしたとします。その時に考えてもらいたいのが、もし自分が上司でこんな報告を聞いたら、どう答えるだろう、ということです。上司と言ってもスーパーマンではありません。全ての答えを知っている訳ではないし、判断を間違えることもあります。この事例でも自分が上司だったら、「部署を変えた方がいい」と言うなとか、「一時的なものだから、しばらく様子を見よう」と言うなとか、自分なりの答えを持っておきましょう。そして上司に報告する時に「こんな方法はどうでしょう?」と言うような報告を上げましょう。
まとめ
生活相談員は上司とうまくやっていかなければ、施設の仲が混乱しますし、利益も上がらなくなります。生活相談員もいずれは上司になっていく訳ですから、今はその修行の時だと思って、しっかり上司をサポートしましょう。そしていやなことがあったり、思う通りにならなかったことをしっかり覚えておきましょう。そうすれば、自分が上司になった時に、その時の記憶が役に立つと思います。いい部下になれると、いい上司になれます。いい上司になれば、いい部下に恵まれます。投げやりにならずに、しっかり上司について行きましょう。これから相談員を目指す人や、今相談員で頑張っている方は是非参考にしてください。